JAXA(日本)が開発した「革新的」な固体燃料ロケット、弾道飛行試験に成功

※画像はイメージです

宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙科学研究所(ISAS)専任教授である森田泰弘氏は、「LTP」ロケット3号機(LTP-135s)の弾道飛行試験を成功させました。場所は北海道の宇宙港(HOSPO)。

従来固体燃料は
①一度固めると再利用できない
②作り置きできない
③宇宙空間で調整できない(誘導制御が難しい)
とされていました。よってこれまで「液体燃料」が主流でした。

ただし固体燃料には大きなメリットがあります。
①構造が簡単なので取り扱いが容易
②長期保存可能
※作り置きできないけど長期保存可能=固体燃料ロケットを作ったら長期保存できるけど、固体燃料単体で作っておいて外気が触れるところに放置はできない…ということでしょうか?分かる方いたらコメント欄にて教えてくださいJAXA公式サイトより

よって主流は液体燃料でしたが衛星打ち上げや軍事利用など、高度な精度を必要としない場合においては固体燃料が活用されてきました。今はハイブリッド型もあるみたいです。

今回の成功で、①と②の課題解決の実現目処が経ちました。

現在の固体燃料は、粒子を混ぜた樹脂に熱を固める。一度固めるとやり直しがきかない。作り置きもできないために、大きな設備で一気に作る必要がある。加えて、その設備はたまにしか使わないために効率が悪いと指摘されている。これらが固体燃料ロケットを作る難しさや高コストの一因と指摘されている。  森田氏が開発するLTPは「熱を加えると溶けて、冷ますと固まる」を何度も繰り返せるという固体燃料。この「熱を加えると溶けて、冷ますと固まる」性質を利用すれば、小さな単位で連続生産して貯蔵しておくことができるという。従来の固体燃料より融点が低いことから、LTPは「低融点」とされている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/cf2810b238235deb85aaafbb1690a41968d93686

なお最も革新的な点は数週間必要だった固体燃料の製造が、LTPで「製造開始から約4時間」になったことです。打ち上げ頻度が格段に上げられることが大きいですね。

まだ日本には頻度4時間で打ち上げられるロケット量産化の仕組みはない、と理解してますがロケット生産はどこが量産化するようになるのか…今後に期待です。

なお、この開発によって③の課題が解決したわけではありません。国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキングなど宇宙空間で燃料の調節が必要な場合の利用は想定できないものの、単純な発射においては固体燃料の活用が進むと考えられます。

ロケットの9割は「燃料」で占められており、燃料開発は今後のロケット革新の根幹。日本の宇宙業界への貢献が楽しみになるニュースでした^^

ちなみに北朝鮮もミサイル発射に固体燃料を活用しているようで…このニュースを見て軍事活用に焦点を当ててる人が居るんじゃないかな?と思ったのは私だけじゃないはず😱

北朝鮮国営の朝鮮中央通信は20日、同国が19日に新型の中長距離・極超音速ミサイルに装着する固体燃料エンジンの地上燃焼実験を行い、成功したと報じた。実験は金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が現地で指導。2021年1月に党大会で示した「国防発展5カ年計画」の戦略兵器部門の開発課題が「完結した」とし、金氏は「大満足」したという。近いうちに発射実験に乗り出す可能性もある。

https://news.yahoo.co.jp/articles/626426761946aa6b6a42ea0d95bd8ba33c28b4f3
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