世界が注目する、2023年にロケットをほぼ3Dプリンターで製造し打ち上げたRelativity Space社とは?

出典:RelativitySpaceコーポレートサイト https://www.relativityspace.com/additive

※現在執筆中

2023年には約80%を3Dプリンターで製造したロケット(Terran 1)を打ち上げたRelativitySpace社は、ロケットを全て3Dプリンターで製造すると宣言している米国企業です。

目次

開発中のロケット Terran R

現在はTerran Rという
・全長約66m(Terran 1 の2倍)
・ペイロード23,500kg
・約95%が3Dプリンターで製造される(エンジンも3Dプリント!)
・完全再利用型(2段階式ロケット)
・60日で製造可能
という革新的なロケットを開発中で、2026年に打ち上げを予定しています。
※当初は2024年を予定していましたが、2023年Terran 1の打ち上げか結果から軌道修正、ペイロードのサイズ等変更も図ったからとのことです。

現在金属3Dプリンター「Stargate」を自社で保有していますが、この最新モデルは高さが約9m。世界最大級だと言われています。

創業者プロフィール

Relativity Spaceは2人の創業者で構成されています。共同創業者のTim Ellisはジェフベゾス率いる「ブルーオリジン(Blue Origin)」、Jordan Nooneはイーロンマスク率いる「スペースX(SpaceX)」の出身です。

2人とも各社で3Dプリンターによる部品の製造に携わっていました。

2015年に50万ドル(約7,500万円)の資金調達の目処が立ち、創業しました。

当時から既に米国では飛行機、ロケットともに3Dプリンター活用が進んでいました。ただロケット全てを3Dプリンターで作ると宣言し、Forbes記者のAlex Knapp氏曰く巨大な3Dプリンター製造機を開発したのはRelativity Spaceが初めてとのことでした。

SpaceXに次ぐ資金調達額

2021年のシリーズEで、6億5000万ドル(約900億円)調達した同社は累計で約13億ドル(約1,800億円)調達しています。その時の評価額は42億ドルで当時、SpaceX社に次ぐ2番目に大きい評価額となりました。

これまでの打ち上げ履歴

2023年3月にTerran 1を打ち上げたのは最初で最後です。

一段目の打ち上げは成功しましたが、二段目の打ち上げは正常に燃焼せず失敗し地球周回軌道上に打ち上げることが出来ませんでした。全長33m、ペイロードは最大最大1,200kgで、1回の打ち上げコストは1200万ドル(約15億6960万円)です。

国内で2024年3月に打ち上げを行ったスペースワン社の全長が18mでペイロードが最大250kgでコストが約10億円だと考えると、荷物は約5倍詰めるのに価格は1.5倍程度と3Dプリンターによる製造コストの安さが伺えます。

なお今回は試験だったため人工衛星は載せていません。

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