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衛星データの価格ガイド — 無料データから商用ライセンスまで、用途別のコストと入手方法


この記事は「衛星データ活用ガイド」の詳細記事です。

衛星データの価格は「ゼロ」から「数十億円」まで

衛星データの価格は、解像度・撮影頻度・ライセンス条件によって大きく異なる。無料で使える公開データから、日本全域をカバーすると38億円を超える商用データまで、幅は極めて広い。

この記事では、衛星データを無料・低コスト・商用の3段階に分けて価格帯と入手方法を整理する。


無料で使える衛星データ

Sentinel(ESA / Copernicus)

欧州宇宙機関(ESA)が運用するCopernicusプログラムの衛星群。光学(Sentinel-2、解像度10m)とSAR(Sentinel-1、解像度5m)のデータが無料で公開されている。商用利用も可能で、農業・環境モニタリングの定番データソース。

Landsat(NASA / USGS)

米国が1972年から継続運用する地球観測衛星。Landsat 8/9のデータ(解像度15〜30m)が無料公開されている。50年以上の時系列データがあり、長期変化の分析に強い。

ALOS(JAXA)

JAXAのALOS(だいち)シリーズのアーカイブデータは、研究・教育目的であれば無料で利用可能。ALOS-2のPALSAR-2(Lバンド SAR)は森林や地殻変動の観測に適している。

Tellus(経済産業省)

日本の衛星データプラットフォーム。ALOS、ひまわり、地上データなど国内外の多様なデータセットを無料で閲覧・分析できる。API経由でのデータ取得も可能。


低コストで使える衛星データ(1シーンあたり数千〜数万円)

データソース解像度価格帯(目安)特徴
Planet(PlanetScope)3〜5m月額制サブスクリプション毎日撮影、広域モニタリング向き
SPOT 6/71.5m1シーン 数万円〜フランスAirbus製、都市・農業向け
中国系衛星(吉林一号など)0.5〜1m1シーン 数千円〜低価格だがライセンス制約あり

低コスト帯は「頻度」と「広域カバー」が売り。高解像度は不要だが定期的にデータが欲しい場合に適している。


商用高解像度データ(1シーンあたり数万〜数百万円)

データソース解像度価格帯(目安)特徴
Maxar(WorldView-3/4)0.3m1シーン 10万〜数百万円最高解像度クラス。米国政府御用達
Airbus(Pléiades Neo)0.3m1シーン 数十万円〜欧州製。30cmの超高解像度
ICEYE(SAR)0.25m個別見積もりフィンランド発のSARコンステレーション
アクセルスペース(GRUS)2.5m個別見積もり日本製。小型衛星コンステレーション

商用データは新規撮影(タスキング)アーカイブ購入で価格が異なる。タスキングは撮影を指定するためアーカイブより高額になる。


ライセンス形態の違い

衛星データのライセンスは購入すれば自由に使えるわけではない。主に以下の種類がある。

ライセンス内容価格への影響
シングルユーザー1組織内のみ利用可標準価格
マルチユーザー複数組織で共有可1.5〜3倍程度
再配布ライセンス加工後の成果物を第三者に提供可個別交渉
サブスクリプション月額・年額で一定量のデータを利用大量利用時にコスト効率が良い

特に自治体やコンサルティング企業が成果物を納品する場合、再配布ライセンスの有無が重要になる。


用途別おすすめデータソース

農業(作物モニタリング)

Sentinel-2(無料)で広域の植生指数(NDVI)を確認し、詳細が必要な圃場だけPlanetで補完するのがコスト効率が良い。

防災(災害前後の比較)

Sentinel-1のSARデータは天候に左右されず、洪水や土砂災害の被害範囲を把握できる。緊急時はCopernicusの緊急管理サービスが無料で活用可能。

都市計画・不動産

建物単位の分析にはMaxarやPléiades Neoの30cm級データが必要。Google Earthで見るような高精細画像を業務利用するにはライセンス購入が必須。

海洋・漁業

衛星データの海洋活用も参考に。漁場探索にはひまわり(海面水温)とSentinel-2(クロロフィル濃度)の組み合わせが有効。


価格交渉のポイント

商用衛星データの購入時に知っておくべき交渉のポイントを整理する。

ポイント詳細
アーカイブ vs タスキング既存データ(アーカイブ)は新規撮影の1/3〜1/2の価格。まずアーカイブを探す
面積割引100km²以上の広域注文では単価が下がるケースが多い
年間契約サブスクリプション契約は都度購入よりも30〜50%安くなる場合がある
解像度の見極め用途に対して過剰な解像度を選ばない。50cm級で十分なら30cm級は不要
複数プロバイダー比較Maxar・Airbus・Planet・日本企業で見積もりを比較する
共同購入同じ地域のデータを複数組織で共同購入しコストシェア

特に自治体や研究機関は、Tellusや JAXA の無料データで初期検証を行い、本当に商用データが必要か見極めてから購入に進むのが失敗しない方法。


コストを抑える3つの方法

  1. 無料データを最大限活用する — Sentinel・Landsatで解決できる用途は多い
  2. Tellusを活用する — 日本のデータが充実しており、分析環境もクラウド上で提供される
  3. アーカイブデータを優先する — 新規撮影(タスキング)より既存アーカイブの方が安価

よくある質問

Q: 個人でも衛星データを購入できる?

A: 可能。Tellusや Planet Explorer では個人アカウントでデータにアクセスできる。ただし商用高解像度データ(Maxarなど)は法人向け販売が主で、個人への販売に対応していない場合もある。

Q: Google Earthの画像を業務に使える?

A: Google Earthの画像は閲覧は無料だが、業務利用やスクリーンショットの外部配布はライセンス上制限されている。業務用途にはデータプロバイダーからの直接購入が必要。

Q: 撮影から納品までどのくらいかかる?

A: アーカイブデータは即日〜数日。タスキング(新規撮影)は注文から撮影まで1〜4週間、納品まで数日が一般的。緊急撮影(災害対応など)は24〜48時間で可能な場合もある。


まとめ

衛星データの価格は「何を見たいか」「どの程度の精度が必要か」で決まる。まずは無料データで検証し、必要に応じて商用データにステップアップするのが現実的なアプローチ。日本ではTellusが無料のデータプラットフォームとして整備されており、初めての衛星データ活用に適している。


参考としたサイト


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