この記事は「天文カレンダー2026」の詳細記事です。
2026年6月、金星と木星が大接近
2026年6月10日、夕方の西の低空で金星(-4.0等)と木星(-1.7等)が約1.6度まで接近する。太陽系で最も明るい2つの惑星が並ぶ光景は肉眼でもはっきり確認でき、天体観測の初心者にも見つけやすい。
接近スケジュール
| 日付 | 離角(角距離) | 見え方 |
|---|---|---|
| 6月5日 | 約5度 | 西の低空に2つの明るい星が近づき始める |
| 6月8日 | 約3度 | 双眼鏡の視野に収まる |
| 6月10日 | 約1.6度 | 最接近。肉眼で「二重星」のように見える |
| 6月12日 | 約3度 | 離れ始めるが、まだ近い |
| 6月15日 | 約6度 | 並んで見えるが距離は開く |
最接近は6月10日4時48分(日本時間)だが、実際の観測は6月9日と10日の日没後30分〜1時間が好条件。
観測条件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 方角 | 西〜北西の低空 |
| 高度 | 地平線から約10〜15度 |
| 時間帯 | 日没後30分〜1時間(19時〜19時30分頃) |
| 必要機材 | 肉眼で十分。双眼鏡があればなお良い |
低空での現象のため、西の地平線が開けた場所が理想的。海岸、河川敷、高台などがおすすめ。
一緒に見える天体
この時期、金星と木星の周辺にはほかの天体も集まっている。
- 水星 — 金星のさらに低い位置に見える可能性あり(高度が低く難易度高)
- ポルックス・カストル(ふたご座の1等星・2等星) — 金星・木星の上方に位置
双眼鏡を使えば、これらの天体を一度に視野に収められる。
撮影のコツ
スマートフォンで撮る場合
- 三脚またはスマホスタンドを使う — 手持ちではブレる
- 夜景モードを使う — 長時間露出で明るく撮れる
- ズームは使わない — デジタルズームは画質が劣化する。広角のまま撮影し、後からトリミング
- 日没直後の薄明を狙う — 空がまだ青い時間帯に撮ると、惑星と空のコントラストが美しい
一眼カメラ・ミラーレスで撮る場合
| 設定 | 推奨値 |
|---|---|
| 焦点距離 | 50〜200mm |
| F値 | F2.8〜F4 |
| ISO | 400〜1600 |
| シャッター速度 | 1〜4秒 |
| 三脚 | 必須 |
ポイント: 惑星は明るいため、長すぎる露出は白飛びする。風景と一緒に撮る場合は、焦点距離50mm前後で地上の風景を入れると印象的な写真になる。
惑星接近とは何か
惑星の「接近」や「会合」は、地球から見て2つの惑星が天球上で近づいて見える現象。実際の宇宙空間で近づいているわけではなく、地球・金星・木星の公転軌道の位置関係による見かけの現象である。
金星は地球より内側を約225日で公転し、木星は外側を約12年で公転する。この速度差により、数年に一度の頻度で「接近」が起こる。
双眼鏡で楽しむ惑星接近
惑星接近の観測には、実は双眼鏡が最も適している。
| 機材 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 肉眼 | 空全体を見渡せる | 暗い天体は見えない |
| 双眼鏡(7×50) | 視野が広く、明るさも十分 | 倍率が低い |
| 望遠鏡 | 高倍率で詳細が見える | 視野が狭く、2惑星を同時に収められない |
7×50の双眼鏡なら、金星と木星を同一視野に収められる。金星の三日月状の形や木星のガリレオ衛星も確認できる可能性がある。
おすすめの観測計画
- 6月5日 — 接近が始まるのを確認。写真で記録開始
- 6月8日 — 双眼鏡で同一視野に入ることを楽しむ
- 6月9〜10日 — 最接近。日没後すぐに西の空を確認
- 6月12日 — 離れ始める様子を記録
毎日同じ時刻・同じ場所から撮影すると、2つの惑星が近づき離れる動きが記録でき、惑星の公転運動を実感できる。
過去の金星・木星接近
| 年 | 最接近日 | 離角 |
|---|---|---|
| 2023年 | 3月2日 | 約0.5度 |
| 2024年 | 8月12日 | 約0.3度 |
| 2026年 | 6月10日 | 約1.6度 |
2026年の接近は過去2回と比べるとやや離れているが、日没後の見やすい時間帯に観測できる点が利点。
次回以降の金星・木星接近
金星と木星の接近は約1〜2年に一度の頻度で起こる。今後の予定は以下の通り。
| 年 | 時期 | 予想離角 |
|---|---|---|
| 2027年 | 11月頃 | 約1度 |
| 2029年 | 3月頃 | 約0.5度以下 |
| 2030年 | 8月頃 | 約2度 |
2029年の接近は離角が0.5度以下と非常に近く、次回の大接近として注目される。2026年の観測経験を活かし、次回に向けて撮影技術を磨いておくのも良いだろう。
まとめ
2026年6月9〜10日の日没後、西の低空に金星と木星が大接近する。肉眼で十分に観測でき、特別な機材は不要。西の地平線が開けた場所で、薄明の空に輝く2つの惑星を楽しもう。
参考としたサイト
- 2026年の天文情報まとめ — ケンコー・トキナー
- 宵の明星 金星(2026年) — アストロアーツ
- 木星(2025〜2026年) — アストロアーツ
- 2026年の金星・木星と土星が見やすい季節 — 天文教育