100年前の今日
1926年3月16日、マサチューセッツ州オーバーンの雪原で、物理学者ロバート・ゴダードが世界初の液体燃料ロケットを打ち上げた。
- 飛行時間: 約2.5秒
- 到達高度: 約12m(41フィート)
- 飛行距離: 約56m(184フィート)
- 燃料: 液体酸素+ガソリン
ワイヤーフレームの発射架台に設置された小さなロケットが、妻エスターと助手の2人だけが見守る中で飛んだ。この「2秒間」が、人類の宇宙への道を開いた。
ゴダードは何を成し遂げたのか
ロバート・ゴダード(1882-1945)はクラーク大学の物理学教授。1919年に発表した論文「高高度到達の方法」で、ロケットが真空中でも推進力を得られることを理論的に証明した。当時の科学者の多くは「真空中ではロケットは飛ばない」と信じていたため、嘲笑を受けた。
しかしゴダードは実験を続け、1926年3月16日に液体燃料ロケットの初飛行に成功。その後ニューメキシコ州ロズウェルに移り、1930年代にはさらに高性能なロケットを開発した。
ゴダードからStarshipまで — 100年の進化
| 年 | 出来事 | 高度/性能 |
|---|---|---|
| 1926 | ゴダード初の液体燃料ロケット | 12m、2.5秒 |
| 1942 | ドイツV-2ロケット初飛行 | 80km(宇宙空間到達) |
| 1957 | ソ連スプートニク1号 | 初の人工衛星 |
| 1961 | ガガーリン宇宙飛行 | 初の有人宇宙飛行 |
| 1969 | アポロ11号月面着陸 | 38万km |
| 1981 | スペースシャトル初飛行 | 再使用型宇宙機 |
| 2015 | Falcon 9初の軌道級ブースター着陸 | ロケット再使用の実現 |
| 2020 | Crew Dragon有人飛行 | 民間有人宇宙飛行 |
| 2026 | Starship V3軌道投入試験予定 | 史上最大のロケット、完全再使用型 |
ゴダードの12mから、100年後のStarshipは高度400km以上の軌道を目指す。高度は3万倍以上になった。
妻エスターが見たもの
ゴダードは1945年に63歳で亡くなったが、妻エスターは1969年のアポロ11号の月面着陸を目撃した。夫が雪原で飛ばした2.5秒のロケットが、43年後に人類を月に送り届けた。
NASAのゴダード宇宙飛行センター(メリーランド州)は彼の名前を冠している。
まとめ
2026年3月16日で、液体燃料ロケットの初飛行からちょうど100年。SpaceXが年間165回のロケットを打ち上げ、宇宙旅行が750万円から購入できる時代になったが、その全ての起点は「雪原の2秒間」にある。
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