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宇宙漫画おすすめ12選 — 宇宙兄弟・プラネテスから隠れた名作まで【2026年版】


宇宙への憧れを最も身近に感じさせてくれるメディアのひとつが漫画だ。宇宙飛行士の夢を追う人間ドラマから、軌道上のデブリ回収、火星探査、さらには銀河系の果てまで——宇宙漫画の世界は驚くほど広い。

この記事では、宇宙をテーマにしたおすすめ漫画を12作品厳選して紹介する。定番の名作から知る人ぞ知る傑作まで、作品ごとの特徴と魅力を整理した。

宇宙兄弟(小山宙哉)

項目内容
著者小山宙哉
出版社講談社(モーニング)
巻数全44巻(完結)
連載期間2007年–2024年
メディア展開TVアニメ(2012年)、実写映画(2012年)

宇宙漫画の代名詞ともいえる作品。子どもの頃に「二人で宇宙飛行士になろう」と約束した兄弟の物語だ。

科学描写のリアリティが際立つ。JAXA の宇宙飛行士選抜試験、NASA での訓練、ISS でのミッション、月面探査——いずれも綿密な取材に基づいて描かれている。JAXA が2022〜2023年に実施した宇宙飛行士選抜試験は、本作の描写と重なる部分が多く、試験を受けた候補者の中にも本作のファンが多かったという。

宇宙の技術的な側面だけでなく、挫折や葛藤、家族や仲間との絆といった人間ドラマが丁寧に描かれている点が、幅広い読者層に支持される理由だ。宇宙に興味がなくても楽しめるが、読後に宇宙への関心が確実に高まる一作。

こんな人におすすめ: 宇宙飛行士の仕事をリアルに知りたい人、人間ドラマ重視の人

プラネテス(幸村誠)

項目内容
著者幸村誠
出版社講談社(モーニング)
巻数全4巻(完結)
連載期間1999年–2004年
メディア展開TVアニメ(2003年、サンライズ制作)

2070年代の地球軌道を舞台に、宇宙空間のデブリ(ごみ)を回収する作業員たちの日常と葛藤を描いた作品。全4巻とコンパクトながら、宇宙漫画の金字塔として評価が高い。

宇宙開発が進んだ世界で「宇宙のゴミ拾い」という地味な仕事に就く主人公の姿を通じて、宇宙で働くとはどういうことか、なぜ人は宇宙を目指すのかという根源的な問いが描かれる。スペースデブリ問題は現実世界でも深刻化しており、2026年現在、各国の宇宙機関や民間企業がデブリ除去技術の開発を進めている。本作が20年以上前にこのテーマを取り上げた先見性は特筆に値する。

こんな人におすすめ: 宇宙開発の現実的な課題に関心がある人、短くて濃い作品が好きな人

ふたつのスピカ(柳沼行)

項目内容
著者柳沼行
出版社メディアファクトリー(コミックフラッパー)
巻数全16巻(完結)
連載期間2001年–2009年
メディア展開TVアニメ(2003年)、TVドラマ(2009年、NHK)

宇宙飛行士を目指す少女と、彼女を見守る「幽霊」の物語。ロケットの落下事故で母を失った主人公が、宇宙飛行士養成学校での訓練と人間関係を通じて成長していく。

ファンタジー要素を含みながらも、宇宙飛行士を目指す過程——体力訓練、学科試験、チームワーク——は丁寧に描かれている。切なくも温かい雰囲気が全編を貫き、宇宙への夢と喪失の痛みが交差する独特の読後感がある。

こんな人におすすめ: 感動系が好きな人、宇宙飛行士養成の過程に興味がある人

彼方のアストラ(篠原健太)

項目内容
著者篠原健太
出版社集英社(少年ジャンプ+)
巻数全5巻(完結)
連載期間2016年–2017年
受賞マンガ大賞2019

惑星キャンプに参加した9人の少年少女が、謎の球体に飲み込まれて宇宙の彼方に飛ばされる。帰還までの道のりで、さまざまな惑星を経由しながらサバイバルを繰り広げるSFアドベンチャー。

全5巻で伏線の回収が見事。各惑星の環境描写やサバイバル要素に加え、物語全体を貫くミステリー要素が読者を引き込む。マンガ大賞2019を受賞した完成度の高さは折り紙つき。

こんな人におすすめ: 冒険・サバイバルが好きな人、短期間で完結作品を読みたい人

MOONLIGHT MILE(太田垣康男)

項目内容
著者太田垣康男
出版社小学館(ビッグコミックスペリオール)
巻数既刊23巻
連載期間2000年–
メディア展開TVアニメ(2007年)

エベレスト山頂で月を見上げた2人の登山家が、宇宙飛行士への道を歩む物語。月面開発、国際政治、軍事利用——宇宙開発の「大人の事情」をリアルに描く。

NASAの宇宙飛行士選抜、スペースシャトルの運用、月面基地建設といった描写は、技術的な細部まで精緻。宇宙開発を取り巻く国際競争や政治的駆け引きも重要な要素として描かれており、宇宙ビジネスや宇宙政策に関心がある読者にとって読みごたえがある。

こんな人におすすめ: 宇宙開発の政治・ビジネス面に興味がある人、ハードな作風が好きな人

度胸星(山田芳裕)

項目内容
著者山田芳裕
出版社集英社(週刊ヤングジャンプ)
巻数全4巻(未完)
連載期間2000年–2001年

火星有人探査計画の宇宙飛行士候補に、型破りな主人公が挑む物語。掲載誌の休刊により全4巻で未完となったが、宇宙漫画ファンの間では伝説的な評価を得ている。

宇宙飛行士選抜試験の描写が秀逸で、閉鎖環境での心理テスト、候補者同士の駆け引き、極限状態での人間の本性が生々しく描かれる。『宇宙兄弟』の先駆的作品ともいわれ、両作品を読み比べるのも面白い。

こんな人におすすめ: 宇宙飛行士選抜の心理描写に興味がある人、未完でも名作を読みたい人

2001夜物語(星野之宣)

項目内容
著者星野之宣
出版社双葉社(アクションコミックス)
巻数全3巻(完結)
連載期間1984年–1986年

人類の宇宙進出を壮大なスケールで描いたSF短編連作。タイトルはアーサー・C・クラークの『2001年宇宙の旅』へのオマージュだが、内容はオリジナルの物語群で構成される。

太陽系探査から恒星間航行、さらにはその先の未来まで、各話が独立しながらもゆるやかにつながる構成。科学的考証の確かさとSF的想像力のバランスが絶妙で、海外のSFファンからも高く評価されている。1980年代の作品ながら、現在読んでも古さを感じさせない普遍性がある。

こんな人におすすめ: ハードSFが好きな人、壮大なスケールの物語を求める人

宇宙家族カールビンソン(あさりよしとお)

項目内容
著者あさりよしとお
出版社徳間書店 → 講談社
巻数全14巻(完結)
連載期間1985年–1997年

辺境の惑星に不時着した宇宙人一座が、人間の赤ん坊を拾って育てるコメディ。宇宙人たちが「地球の家庭」を真似しようと四苦八苦する日常が描かれる。

SFコメディとして笑えるだけでなく、「家族とは何か」というテーマが底流にある。著者のあさりよしとおは宇宙開発やロケット工学に造詣が深く、ギャグの中にも科学的な小ネタが散りばめられている。肩の力を抜いて読める宇宙漫画として貴重な存在。

こんな人におすすめ: コメディが好きな人、シリアスな宇宙漫画に疲れた人

テラフォーマーズ(貴家悠・橘賢一)

項目内容
原作貴家悠
作画橘賢一
出版社集英社(週刊ヤングジャンプ)
巻数既刊22巻
連載期間2011年–
メディア展開TVアニメ(2014年)、実写映画(2016年)

火星をテラフォーミング(地球化)するために放たれたゴキブリが異常進化し、人型の生命体となった世界。人類はそれに対抗するため、昆虫や動物の能力を遺伝子操作で取り込んだ戦士を火星に送り込む。

SF×バトルの王道展開ながら、テラフォーミングの科学的背景や、各キャラクターに付与される生物学的能力の解説が詳しい。火星環境の描写も興味深く、エンターテインメントとして楽しみながら火星探査の基礎知識に触れられる。

こんな人におすすめ: バトル漫画が好きな人、火星のテラフォーミングに興味がある人

Dr.STONE(稲垣理一郎・Boichi)

項目内容
原作稲垣理一郎
作画Boichi
出版社集英社(週刊少年ジャンプ)
巻数全26巻(完結)
連載期間2017年–2022年
メディア展開TVアニメ(2019年〜)

全人類が石化した世界で、科学の力でゼロから文明を再建する物語。物語の後半ではロケット開発と宇宙進出が大きなテーマとなる。

宇宙専門の作品ではないが、ロケットの原理、推進剤の化学、軌道計算といった宇宙工学の基礎がストーリーの中で自然に解説される。「科学はすげー」という主人公の口癖が象徴するように、科学への純粋な興奮が全編を通じて伝わってくる。少年漫画として圧倒的に読みやすく、宇宙工学への入口として最適。

こんな人におすすめ: 科学全般に興味がある人、少年漫画のテンポが好きな人

銀河の死なない子供たちへ(施川ユウキ)

項目内容
著者施川ユウキ
出版社電撃コミックスNEXT
巻数全2巻(完結)
刊行2017年–2018年

人類が滅亡した地球で、不老不死の子どもたちが永遠の時間を過ごす物語。静謐な雰囲気の中で、「命」「時間」「宇宙の終わり」といった哲学的テーマが問いかけられる。

全2巻という短さの中に、宇宙的スケールの時間と存在の意味が凝縮されている。派手なアクションは一切ないが、読後に深い余韻を残す。宇宙の広大さと時間の無限を、静かに、しかし確実に体感させてくれる異色の一作。

こんな人におすすめ: 哲学的なテーマが好きな人、静かな作品を求める人

星を継ぐもの(星野之宣)

項目内容
著者星野之宣(原作: ジェイムズ・P・ホーガン)
出版社小学館(ビッグコミックススペシャル)
巻数全4巻(完結)
刊行2011年–2013年

ジェイムズ・P・ホーガンのSF小説の名作を、星野之宣がコミカライズした作品。月面で発見された5万年前の人間の死体——その謎を科学者たちが解き明かしていく知的興奮に満ちた物語。

原作の科学的推理の醍醐味を損なうことなく、漫画ならではのビジュアル表現で補完している。SFミステリーとして一級品であり、月探査や太陽系の成り立ちに関する科学知識が自然に身につく。原作小説と合わせて読むとさらに楽しめる。

こんな人におすすめ: SFミステリーが好きな人、科学的推理を楽しみたい人

目的別おすすめガイド

リアルな宇宙開発を知りたい

  • 宇宙兄弟 — JAXA・NASAの宇宙飛行士選抜から月面探査まで
  • プラネテス — 軌道上の仕事とスペースデブリ問題
  • MOONLIGHT MILE — 月面開発と国際政治

冒険・アクションを楽しみたい

  • 彼方のアストラ — 惑星サバイバル×ミステリー
  • テラフォーマーズ — 火星でのバトル×生物学
  • Dr.STONE — ゼロからのロケット開発

感動・人間ドラマを味わいたい

  • ふたつのスピカ — 夢と喪失の物語
  • 宇宙兄弟 — 兄弟の絆と挫折からの再起
  • 銀河の死なない子供たちへ — 命と時間の哲学

SF的想像力に浸りたい

  • 2001夜物語 — 壮大な宇宙史
  • 星を継ぐもの — 月面のミステリー
  • 宇宙家族カールビンソン — 異星人コメディ

宇宙漫画が現実に追いつかれる時代

宇宙漫画の魅力のひとつは、フィクションと現実の距離が年々縮まっていることだ。

『宇宙兄弟』で描かれた月面探査は、NASAのArtemis計画として現実になりつつある。『プラネテス』が取り上げたスペースデブリ問題は、2026年現在、宇宙開発における最重要課題のひとつだ。民間宇宙旅行の実現により、かつてSFの中だけだった「一般人が宇宙に行く」という描写も日常に近づいている。

漫画をきっかけに宇宙への興味を持ち、実際に宇宙関連の仕事に就いた人も少なくない。宇宙漫画は単なるエンターテインメントではなく、未来の宇宙開発を担う人材を育てるメディアでもある。


参考とした資料


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