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宇宙旅行の保険はどうなっている? — 日本の損保3社の動きと個人がやるべきこと


宇宙旅行が現実になった今、「保険はどうなるのか」は多くの人が気になる問題です。結論から言うと、一般的な旅行保険では宇宙旅行はカバーされません。しかし日本の大手損害保険会社が相次いで宇宙旅行向けの保険に乗り出しています。

一般の旅行保険は宇宙旅行をカバーしない

現在販売されているほとんどの海外旅行保険には、宇宙関連の活動を除外する条項が含まれています。生命保険についても、宇宙旅行中の事故は免責になる可能性が高いとされています。

つまり、宇宙旅行に行く場合は専用の保険を別途手配する必要があるのが現状です。

宇宙旅行会社は保険を提供していない

SpaceX、Blue Origin、Virgin Galacticのいずれも、旅行者に対して保険を提供する法的義務はなく、実際に提供もしていません。

旅行者は搭乗前に「リスクを理解し、自身の安全について全責任を負う」旨の同意書に署名する必要があります。これは「説明を受けた上での同意(インフォームド・コンセント)」方式と呼ばれ、現在の商業宇宙飛行の標準的な仕組みです。

日本の損害保険会社の動き

東京海上日動 — 宇宙旅行保険を正式提供(2024年4月〜)

東京海上日動は2024年4月に、日本初の宇宙旅行者向け保険の提供を開始しました。海外旅行保険の枠組みで引き受け、宇宙への出発日から帰還日までに発生した傷害(死亡・後遺障害)を補償します。

個別の旅行形態(準軌道、軌道、ISS滞在など)に応じてリスク評価を行い、補償範囲を設定する仕組みです。

三井住友海上 — JAXAと共創で「月保険」も開発中

三井住友海上は2022年7月にJAXAとJ-SPARC共創活動を開始し、宇宙旅行保険事業の設計を進めています。2023年12月には宇宙関連事業者17社からの意向表明書を受領。世界に先駆けて**「月保険」**の開発にも取り組んでいます。

損保ジャパン — 日本旅行と宇宙ビジネスで協業

損保ジャパンは2025年6月に日本旅行と宇宙ビジネスに関する包括協力協定を締結しました。日本旅行が推進する月面輸送プロジェクト「We are going to the Moon!」に関わる保険の設計を進めています。

宇宙保険市場の規模

宇宙保険市場全体は2024年に約44億ドル(約6,600億円)で、2030年には62億ドル(約9,300億円)に達する見込みです(年平均成長率7.3%)。

宇宙旅行に特化した保険は2024年に約12億ドル。2033年には44〜92億ドルに成長するとの予測があります。

宇宙旅行に行く人が今できること

  1. 加入中の生命保険・傷害保険の約款を確認する — 宇宙旅行が免責事由に該当するか
  2. 旅行会社や運航会社に保険の有無を確認する — 搭乗料金に含まれる補償があるか
  3. 東京海上日動に問い合わせる — 現時点で宇宙旅行保険を提供している唯一の日本の保険会社
  4. 同意書の内容をよく読む — リスクの範囲と自己責任の範囲を理解する

宇宙旅行の保険は、まだ「個別に設計される」段階です。しかし日本の損保大手3社が揃って参入を進めていることから、数年以内に選択肢が広がる見通しです。

参考とした資料

宇宙旅行の保険はどうなっている? — 日本の損保3社の動きと個人がやるべきこと